6月19日は語呂合わせで『朗読の日』だそうです。文章を声に出して読む。なかなかしないですよね。でも私、むかーし昔はよくやっておりました。娘が2人おりまして、長女は22歳になります。22年前、私は娘に、毎日のように絵本を読んで聞かせてたんです。などというと、「立派な母親だなあ」と感心されそうですが、違います。キッパリ言います、違います。
赤ちゃんって生まれたばかりってしゃべらない。「そんなの当たり前じゃないか」と思うでしょ。当時、私は仕事もしてないし、周りに友人もいなかったのでおうちに赤ちゃんの長女と2人きりでいることが多かったんですよ。長女は泣いて寝てるだけ。おしゃべりが大好きな私にとって誰かと話ができない状況はとても辛いものでした。夫が帰ってきて「おかえり」って言ってみてから「今日初めて声出したかも」って日もたくさんあったもんです。
これは苦しい。何か声を出したい。で、思いついたのが絵本の読み聞かせです。バブバブの長女を相手に絵本を読む。やっぱり最初は自分の思い出の絵本を読んだりして。『ぐりとぐら』や『はじめてのおつかい』など何度も何度も読みました。
すると、生後10ヶ月くらいで長女の声が出始めて、1歳半くらいになってバンバン話すようになったんです。こうなったら子育てが少し楽しくなってくる。だって、コミュニケーションがとれるじゃないですか。ま、大人と話すのとは違いますけど。それでも、「これ読んで」って頼まれると嬉しくてどんなに長い本でも読んだもんです。次女が生まれてからもずっと続いて、10年以上読んでいた。私は話すことが好きだったので苦にならなかったみたい。
『子どもがかわいい』と『子育てが楽しい』は似て非なるもの。
私だってわが子はかわいいですよ、そりゃあね。だけど、楽しいか、っていうとそれは違うと思うの。日常は忙しく、自分のことは後回し、なんだかひたすら疲れてる。気づくと楽しくない。うむ。原因は『しゃべってないから』だったのね。
私の場合はおしゃべりだったので『読み聞かせ』を選んだけど、運動好きならお外でお散歩もいいし、スポーツもいいね。音楽好きならピアノを弾いても、お歌歌ってもいい。静かな環境が好きだったらずっと静かにしててもいい。子育てを楽しめる環境なんて千差万別なんだから!
イラストはタジマのレーザー距離計。『欲しい機能を厳選』という大仰な言葉をキャッチフレーズにしてる割には、見た目も普通で地味な印象。しかし、タジマっていうメーカーはひと味違うんです。精度がめちゃめちゃ高いらしい。しかもどんな持ち方しても精度変わらないらしい。簡単に言いますけど、これって大変なことですよ!
おそらくタジマって、外から見ると「すごい!」っていう精度も、この程度は当たり前じゃんって取り組んでる気がする。コツコツと真面目に取り組むことがすんごく大変な人にはつらいけど、そちらの方向に努力することはイヤではない、むしろ好きって人もたくさんいそうですね。だからこんなにシンプルにサラッとした商品にできるんだろうなあ。
周りから見て大変だと思えることでもちょっと頑張れば続けられるものってのは自分に合ってるものなのかもしれないですね。周りからは「すごいね。毎日やってるの?」と驚かれた読み聞かせ。だけど、私にとっては絵本を毎日読み聞かせることは、それほど苦労をともなうものではなかったんですよね。これが毎日サッカーだったら絶対無理でした。本当はサッカーがやりたかったとしたらゴメンね。
先日、群馬を離れて一人暮らししている長女からメールが届きました。
「大学で『ごんぎつね』について勉強した」と。メールで私に授業で習ったいろんなことを教えてくれました。『ごんぎつね』も大好きでよく読んだなあ。ただ、長女の講義の内容がちょっとマニアックすぎて、そんなに理解できないのに「へえ〜」とわかったふりをしてしまったことは、長女にはナイショです。