制限のある日々は成長のチャンス

コロナ禍。この言葉もうずっと使ってる。
コロナ◯◯。この◯◯に当てはまる言葉を入れて自身の生活の状況を話すってのにも慣れた。この時期に太れば『コロナ太り』だし、この時期に離婚すれば『コロナ離婚』ですよね。じゃあ、夫が突然料理を作るのは⁉︎『コロナ料理』⁉︎いや、絶対違う気がする。でも夫が料理を始めました。

お出かけ好きの夫。当社の社長兼私のオットです。なかなか思うようにお出かけができない。
もともとイライラするタイプでもないし、人にあたり散らす性格でもなく、ただじっと耐えていたのか。突然、『麻婆豆腐を作ってみたい』と言い出した。なぜ、麻婆豆腐なのか。なぜ麻婆ナスではダメなのか。突然お料理を始めました。冷やし中華ではなく麻婆豆腐始めました。

ここからが男子料理あるあるですが、調味料をそろえだす。一緒に買い物に行きました。夫は完璧な麻婆豆腐を作りたいらしく、高島屋のデパ地下で調味料を買いたいと言う。値段高そう。
トウバンジャン、トウチジャン、テンメンジャン。鷹の爪やら顆粒の中華だし。「ペーストのものなら家にあるよ」という私のアドバイスなんて聞こえないらしい。ごま油にもこだわる。それらを入れたカゴをレジに持って行くと…、五千円超えてんじゃん‼︎こりゃあ、高級中華料理だね。とほほ。

そこからは時間をかけて作ってくれました。でも、美味しんですよ。おいしかったんです。香りもいいし。娘も「おー、辛くておいし〜」とほめてた。そんなこんなで気をよくした夫。次はチャーハン、それから肉うどん、パスタなど、単品ものを気軽に作ってくれるようになりました。

そうなると台所主導権問題が勃発するんですよ。
我が家の問題は調味料を置く場所。私はコンロの周りに物があるのが嫌で、使い終わったら全部冷蔵庫にしまっていたんです。ところが夫は「すぐに手に取れないと不便」と言い出した。
私がほぼ毎食作るわけだし、私流に合わせてほしい。対するオットは気分転換のお料理にストレスを感じるのはイヤだ、と。しばらく私の方法に合わせてくれてたんですけど、なんだか楽しくなさそうなので、調味料の場所については、私が譲ることにしました。はれてコンロの周りに調味料が並ぶことに。
これに関しては、おしゃれな調味料ラックを買うことで決着。ちょっと値段が高かったのは夫にはナイショです。

調味料の場所を譲る。こんなのどうでもいい話なんですよ。もともとこだわりなんて1ミリもないし、私自身料理が大好きってわけでもない。だけど、同い年夫婦の私たち、お互いガンコになっちゃう。で、ついつい自分の考えを押し付けてしまいがち。どうでもいいこだわりとか言い出したら終わり。お互い後には引けなくなっちゃうんですね。うん。

夫が気軽にお料理してくれるのって嬉しいものですね。私は片付けは比較的好きな方ですが、
お料理始めた夫は後片付けの大変さもわかったらしく、自分で使ったお皿も洗ってくれるようになりました。朝起きて台所がきれいになってるって本当に嬉しい。1日の始まりがさわやかです。

料理を始めた夫、片付けまでするなんて偉い!対する私。調味料の場所を譲ったよ!
夫の成長に比べると、私のは成長か⁉︎ま、いいや。日常って大切だね、って再確認したし。どうでもいいこだわりなんかより、生活を楽しむことが大切。なんだかんだと偉そうに話してますが、実際、今の調味料の場所の方が使いやすいです。最初からこうすればよかったのね。ははは。

目の前に現れるものを粛々と受け止める

春から始まって、終わってしまったドラマにしみじみ思う。ドラマの題名は『コントが始まる』。観てない方、ごめんなさい。このドラマ、主人公や周りの人たちの言葉がずしりと重い。そのため、後々まで心に残るセリフが多かったドラマでした。

高校の同級生の3人が『マクベス』というお笑いコンビを結成するお話。これが全く売れない。10年売れない。もう28歳。お笑いを続けるか、解散して辞めるか。そう、夢が破れるところからこのドラマはスタートするんですよ。

『マクベス』を解散し辞めることは夢をあきらめるってことで、主人公は解散することを、とても大変なことだと思い込んでいるわけです。主人公は思い立つ。そうだ、10年間ずっと応援してくれた高校時代の恩師だったら、これからも頑張れと言ってくれるんじゃないだろうか。そうすればまた頑張ってもいいのではないだろうか。そして恩師に相談する主人公。解散した方がいいのか、続けてもいいのか。ところが恩師はこう言います。「解散した方がいいと思うぞ。18から28までの10年と、これからの10年は別次元の苦しみだぞ」と。

愛があるなあ、と思いましたね。
今までのこともこれからのことも否定しない。ただ現実だけを伝えてあげる。人生の先輩としてこんなアドバイスできるかしら。いやー、私だったらなにかしらの説教とかしてしまいそう。

主人公だけでなく、仲間や周りの人たちも人生の再出発が始まる。でもね、なんだかみんな淡々と次の人生を決めていくんです。苦しい時期もあったはずの人たちなのに、淡々と次へ行く。目の前に現れたもの受け入れて、少しずつでも前へ進む。そうだよね、みんなそうやって生きていくんだ。
あ、人生を自力でバッサバッサ切り開いて生きてきた方、ごめんなさい。
でも、きっと大多数の人たちは目の前のものを粛々と受け入れてたはず。
私もそう。

『ウエダキコー』のお仕事も、たまたま目の前に現れたもので、せっかく現れてくれたんだから一生懸命にやってみよう、と思っただけ。そんなこんなで月日が過ぎていくと、なぜか好きになる。私のお気に入りの機械はカールトップミキサーです。モルタルを練ってくれる便利な機械です。黄色くて丸くてかわいい。

ドラマの中で「会社のロゴがかわいいとか、社名がかっこいいとか、そんなささいなことで選んでもそんなに間違えてない気がするんです」というセリフがありました。
うん、そうだね。きっと間違ってないよ。さらに付け加えると、長く勤めているとロゴもかわいくなるし、社名もかっこよく感じるんだと思うよ。

久しぶりに若者のドラマを観て感じるものがありましたね。
ドラマの雰囲気も最初はちょっと苦手な感じだな、と思っていたけど、続けて観てたらどんどん引き込まれて観ていた。これからは苦手なものも少しずつ挑戦していこうかな。そうだなあ、ナイショにしていましたが数字とアルファベットの羅列が苦手です。品番が覚えられなくて困っちゃう。でも、これからは努力して覚えよう。うん。できる範囲でね、淡々と粛々と。少しずつ挑戦する心意気が大切だもんね。はい、ちょっとだけ頑張りまーす。