No.2が欲しいんです

『世界に一つだけの花』って、名曲ですよね。SMAPが現役で歌っていた頃ももちろん覚えてます。「みんないっしょに」が美徳とされていた世の中から、「みんな違ってみんないい」の時代に変わった瞬間だった気がする。この『世界に一つだけの花』の歌詞に関しては、賛否両論あるけれど、いろんな人が救われたのは間違いないと思います。私も子育てに迷った時など、この歌に救われたひとりですから。

私、50歳。団塊ジュニアと呼ばれて、同級生がとにかく山盛りにいる世代です。ひとりひとりを大切にしている時間も手間もなかったのでしょう、そんな時代だったんですよ。子どもなんて勝手に育つ、なんて言われてたし。そんな教育が中心でしたから、何かを教える指導者は「前にいる人をマネして!」とか「先輩と同じことして!」という教え方でした。まあ、細かいことはさておき、前の人をモノマネする。よくわからんけど、マネてみる。

すると、やっぱり筋のいいのが出てくるんですよ。モノマネがめちゃ上手いやつ。運動神経のいいのはプロ野球選手のモノマネしたり、歌の上手いのは歌手の歌マネ。もっと身近なところだと、学校の先生のモノマネ。これ上手な子は人気あったなあ。

今は「オンリーワンが大事」っていう教育が主流かしら。よそ見なんかしてると、人の真似ばっかりしていてもダメだよ、自分で工夫しなくちゃ、とか怒られちゃう。だけど、そんなに誰もかれもが抜きん出た才能なんてないと思うんですよ。人のやること見て、あーそうかあ、そうやるんだな、と学ぶのって普通かな、と。人の成功見て、なるほどすごいなって感じたり、人の失敗を見て、私はやるまいと心に誓ったり。そりゃあ、自分で考え出すのはすごいことだけど、みんながみんなそれできるかなあ。よく見て真似るって、すごいことですよね?

マキタの保冷温庫。発売された時はびっくりしたもんです。形はクーラーボックスだけど、中身は冷蔵庫ではないか!で、負けじとハイコーキが冷温庫を発売。両方とも大人気となりました。冬は温かいものが外で食べられるし、夏場はキンキンに冷えた飲み物が飲めると話題に。次の年には小さめサイズをマキタもハイコーキも発売したし、ますます冷温庫市場は熱い戦いになってるのです。

ここで工具のこと知らないよって方は疑問に思うでしょうね。なんでマキタとハイコーキが似たようなものを作るの?って。ここには理由がありまして、バッテリ問題があるんです。工具もコード式から充電式にどんどんシフトチェンジ。みなさんコードレスの工具を使ってるんです。で、必要なのが電源となるバッテリ。マキタ派はマキタの18Vや40Vmaxのバッテリを使い、ハイコーキ派は36Vのマルチボルトを使ってるんです。だからマキタ派とハイコーキ派は競合しないんですよ。みんなどっちかのバッテリしか持ってないから、マキタ、ハイコーキ共に便利な機械を発売してくれないと困るわけ。

当社のハイコーキユーザーのお客さまが話してた。ハイコーキのポットが欲しいんだよね、と。なるほど。水筒みたいな小さなポットはあるんですよ、ハイコーキ。だけど、マキタのケトルのような商品はないんですよね。ハイコーキからケトル出たら買いたいんだけどなあ、とボヤいてました。確かに!あのマキタのケトルって持ち運びしてもこぼれないし、デコボコした現場の地面でも安定感あるんですよ。いい商品ですよね。あんな感じの商品ってハイコーキは出さないのかしら。

これは絶対にモノマネしてほしい。36Vマルチボルトバッテリのお客さんは、待っています。私など、モノマネに対して抵抗ない世代だから、なおさら「マネしちゃえばいいのに〜」って思うんですけどね。話を戻すと、モノマネってすごい才能ですよね?だって、人のことをあれだけ観察できるんだから。しかもそれを自分の体で表現できるんだから。器用ですよね。運動神経いいですよね。頭いいですよね。

もちろんオンリーワン、大切です。それぞれいろんな違いがありながら、みんながのびのびと生きていける社会がいい。でも、だからといって個性のないことはダメだっていう風潮も疲れちゃう。新しく生み出すことはすごいことだけど、「あ、これいいね」っていいものをささっと取り入れる柔軟さも、すごくいい。というわけで、ハイコーキさん、マキタさんのケトルに似た商品、絶対に作ってください。待ってます。

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