乗り物の相性を考える

乗り物は好きですか?飛行機とか電車とか。皆さんはどんな乗り物が好きですか?職人さんって、車が好きな人が多そうですよね。ごっつい重機を動かしてる職人さんもたくさんいますし。あ、でも、これはお仕事だから「好きな乗り物」とは違うのかなあ。でも、重機の運転って難しいから、とりあえず車を運転するのは好きなんでしょうか。どうなんだろ。

当社のある群馬県前橋市っていうのは、わりと田舎なんですよ。県庁所在地だというのに、駅も栄えてないし、なんならお隣の高崎の方が都会だったりします。前橋はのんびりとした田舎町なんです。で、前橋の高校生はどんな遠くの学校でも自転車です。チャリ通です。上り坂も自転車、赤城おろしが吹き荒ぶ中も自転車。風で田んぼに自転車ごとなぎ倒される高校生の姿は、冬の風物詩ですらある。そう、高校生は自転車。とにかく自転車。

なんて思っていたら、新聞のコラムに興味深い言葉がありました。『乗り物の速度の速さに反比例して、風景や人びとの営みの発見はすくなくなる。』と。さらに読み進めると、自転車っていいよ、とのこと。車ばっかりだと、目的地までは一直線になっちゃうんだって。いつもの決まった風景しか目に入らなくて発見がないらしい。その点、自転車を使えば、寄り道、回り道で思いがけない場面に出会えるよ、ってことみたい。ほうほう。なるほど。速度を落とせば視野が広がり、発見が増えるよ、ってことか。

でもね、私たちは高校時代、アメニモマケズカゼニモマケズ自転車を漕いできてるわけ。大人になってまで自転車なんか漕いでられるかいってことで、高校卒業とともにサッサと車に乗ります。ブウーーーン。まあ、チャリンコに罪はないんですけど、やっぱりつらい思い出だったりするわけで、クルマLOVEの前橋市民。

わたくしは工具屋さんなので工具のおはなし。序盤でちょっと出てきた重機のお話。重機で絶対必要なグリスアップ。グリスアップとはグリスと呼ばれるベタベタした油をさして、回転する箇所を滑りやすくする作業のことです。これをしないで放っておくと、回転部が摩擦でギイギイし始める。そのうち消耗して壊れてしまいます。こうなったら最悪です!当社もユニック車がありますので、アームの回転部分にグリスを定期的に注してます。でもさ、当社と違って大きな会社になると何十台も重機があるわけで、グリスアップしてるだけで1日が終わってしまう、ということも。そんな時はヤマダの充電式グリスガンが便利です。あっという間にグリスアップできますよ。バッテリは安心のマキタです。ちょっと値段は高いけど、この便利さは捨て難いなあ。

車といえば、ドラマで石田ゆり子が言ってた。逃げ恥で。「車はあなたが思ってるよりずっと遠くまでいけるのよ」と。カッコよかったなあ。年下の男性に静かに語るこのシーン。そうよ、車だって寄り道、回り道しますよね。自分で運転しながら目的地に行くんだもん、いろんな発見はありますよね。初めて運転した時は怖かったけど、慣れてきていろんなところに行けるようになると、『自由を手に入れた大人』って気持ちになったもんです。

さらに年月は流れ、車を自由に乗り回せることが当たり前になった私、今度は「なんか車って疲れるなあ」と思えてきた。子どもたちがまだ小さくて、そんな中、家族旅行をしていた時代は、やっぱり車って荷物も積めるしラクで便利だったと思います。でも、今は出かける時なんて夫婦2人か、なんなら1人でふらっと出かけちゃう。と、なると、やっぱり車って疲れるなあ、運転してると眠くなっちゃうし。それにお酒好きの私たち夫婦は、飲めないことにもストレスを感じるように。

というわけで、いいかげん大人になった私たち夫婦、新幹線旅行が大好きになりました。新幹線サイコー!びゅーっと目的地までひとっ飛びじゃん。うえーい。

きっと新聞のコラムの方は、自転車に乗りながら季節を感じたりしてるんでしょうね。香ばしい匂いに誘われて、カフェでお茶したりするのでしょう。ドラマの中の石田ゆり子も、「人生のハンドルを握るのは自分自身」って感じで、クルマをカッコよく運転するのだろう。でも、私、新幹線でビューっ、がいいです。夫婦でビール片手に「あ、富士山だあ!」って乾杯するのが楽しい。1人だったら駅弁買ってハイボールも美味しすぎる。確かに、寄り道した先で何かを発見!っていうのも素敵だけど、
「あれ?もう着いちゃったね〜」ってほろ酔いなのも楽しいよ。とりあえずカンパーイ。 

やる気が空回り

『夢を叶える』。なんて魅力的な言葉なんでしょう。小さな時にやりたかったあの夢をもう一度!まあね、とはいえ、根性のある中高年は夢を叶えてるんですよ。私のまわりでもど根性中高年は、勉強して資格取ったり、検定受けたりしてるんです。これはすごいが私にはムリよ〜。そうじゃなくて、ただただやりたいことを学び直す。今となっては、若い時の体力や記憶力は全くないんだけど、こちとら経験値はあるし、なんなら持続力は若い時よりよっぽどあるんだから。今年、50歳になりました。仲良しのお姉さんマダムが「50歳なんてまだまだひよっこ。これから何でもできるわよ」とニコニコ。ひよっこですか。夢のあるいい言葉だなあ。ピヨピヨ。

私、小さい頃から絵を描くことが好きでした。風景画みたいなリアルな絵ではなくてイラストが好きで。教科書のはじっこにパラパラマンガを描いたりしてました。自由帳に漫画を描いたり、上手な絵を写して真似てみたり。たいていの女子がやりそうなことは、ひと通りやってたかもしれません。当時は『なかよし』や『りぼん』などの月刊漫画雑誌が大人気で、一度は漫画家を夢見た少女はゴロゴロいたでしょう。そこで、マンガ描くには専門の道具が必要だとわかった私。調べたらお金がかかることが発覚し、簡単に断念しましたけど。

あれから何十年。イラストを描くのが好きだった少女が、立派な中年になりました。現在はウエダキコーの事務やってます。3年前に始めたウエダキコーのインスタグラムで、イラストを描いたんです。最初はiPhoneに安いデジタルペンみたいなもので描いてましたが、これだと物足りなくなってきた私。で、iPadとアップルペンシルを思い切って購入。これでイラストを描いてみたら、楽しくて楽しくて。勢いに乗って当社のホームページをリニューアルするときに、私のイラストが全面的に使われることになったんです。小さな世界ですけど、イラスト描きたいっていう夢が叶った‼︎

私の夫はウエダキコーの社長です。ウチの夫もなかなか器用な方でして、それを活かして工具の修理などもしているわけですが、本当は何かを作りたいと思っているんです。木で何かを作りたい、と。木のおもちゃとか小さな木材の家具、などなど。身近に便利な電動工具がそろってるもんだから、なおさら手作りへの憧れはつのるばかり。確かに子どもたちが小さい頃は木のおもちゃを作ってくれたりしましたが、今の我が家にとっては需要もないし、そもそも仕事が忙しくて時間もないみたい。ふむむ。

木工の工具の代表といえば、丸ノコですよね。チップソーと呼ばれる円盤の刃を回転させて、木を切る工具です。素早くきれいに自由に切れるのが特徴です。現在はコードレスが主流になって、ますます自由に動かせるようになりました。コード式の方がパワーがあるって時代もあったのですが、ここ数年でバッテリの性能が格段に上がったおかげで、丸ノコもコードレス世代に突入!ハイコーキユーザーはマルチボルト、マキタユーザーは40Vmaxと、甲乙つけがたいバッテリでおなじみ。イラストの丸ノコは、ハイコーキ、マキタともにサイズは165mmです。2×4材の斜めカットができるので、おすすめのサイズなんですよ。

そうそう、夫が木工のおもちゃを作る夢を忘れかけていたら、ふと依頼が舞い込んできたんです。それも娘から!「こんな木のおもちゃを作りたいんだけど」と、夫のLINEに写真が送られてきたらしい。丸と三角と四角の積み木の、型はめのおもちゃです。丸は丸の型にスポッと入れられるようにしなくちゃだから、けっこう難しそう。特別支援学校の先生をしている娘が、生徒と学ぶために作りたいんだって。突然、張り切る夫!舞い上がる夫!やったじゃん、娘からの依頼なんて嬉しすぎるじゃん!

他県に住んでいる娘が、お休みを使って帰ってきました。夫と木材を買い出しに行って、工具を使って木のおもちゃを一日中作っていました。もちろん夫は職人さんじゃありませんから、予習なしに丸ノコやスライド丸ノコなどは使いこなせません。ですから、事前に、夫はYouTubeで木のおもちゃの作り方を勉強しまくってたのを私は知っている。娘の前でささっと工具を使いこなして見せたかったのでしょう。そして当日、ドヤ顔で娘に使い方を説明する夫。木のおもちゃを作りたいっていう夢と、ついでに、頼りになるお父さんってやつもできたんだから、それはそれは楽しそうでした。よかったね。

一日中頑張っていたけれど、積み木の色塗りまでは終わらなかったので、泣く泣く断念してアパートに帰った娘。「あとの仕上げは任せておけ」って言わんばかりの夫。急に父と娘の信頼関係ができていて笑える。仕事の合間を見つけては、積み木の色塗りをしている夫。ん?んん?よく見ると、面取りしてない?あれれ?面取りっていうのは、積み木の角を削って丸みをつけること。安全面からあった方がいいときもあるけど、ちょっとやりすぎじゃない?あれ?よく見ると色も照りが出てる。もしや…「うん、うるしを塗ってみた」ですって。いやあ、娘が言っていた「それじゃ、仕上げはよろしくね」の域を超えてない?

やりすぎもよくないですよね。これだと娘の作品じゃなくなっちゃう。あーあ、娘に怒られても知らないよ、ってあきれて注意したら、ものすごく落ち込んでた。人の作品に自分の夢をかぶせすぎてはいけません。娘が夫のやりすぎ感にめげず、また発注してくれるといいな、と祈ってます。