タイパなんてうっせぇわ

「コスパ」という言葉にやっと慣れてきたのに、最近やたら言われている『タイパ』とう略語。「コスパ」はコストパフォーマンスの略語ですよね。費用対効果ってやつです。で、『タイパ』はタイムパフォーマンスの略語。コストをタイムに置き換えた和製英語らしい。時間対効果、とでも言うのでしょうか。時間に見合わないものが悪だとでも言いたいのか。なんかね、ちょっと引っかかるのよね。

確かに時間がない。だって、何でもスピード勝負なんですもん。情報を得るのも、連絡手段もすべてがスピード!配送も便利になってしまったので、早く早く!急げ急げ!って感じで常に時間に追われてます。これじゃノロノロしてるだけで怒られちゃう。ニュースも朝の新聞で間に合っていたのに、今では次の日の天気まで調べて先読みするのが普通。昔だったら有能だった人がいまや凡人。もともと凡人の私など、出来ないやつだなあ、と思われてるに違いない。

先日、24歳の娘が「困った困った」と。何に困ってるのかと思えば、ライブチケットを友人と行く予定で2枚買ったのだけど、友人が行けなくなってしまった、しかもちょっと日にちもないし、別の友達も誘えない、困った困った、とのこと。で、わたくし、生まれてこの方ライブって行ったことないので「行ってみたい」と答えると「え?ほんと?いいの?」と大喜び。それで娘と一緒に初ライブに行ってきたんです。

4月の末の国立競技場。「うっせぇわ」とか「唄」で有名なAdoのライブに行ってきました。テーマカラーが青や黒らしく、青や黒の服を着たファンの方々がゾロゾロと国立競技場に向かって歩く姿は圧巻。これだけの人を惹きつける歌手ってどんなんだ?と思いながらワクワクして到着。会場ではすでに音楽が流れていてライブ感漂う中、もらったかわいらしいリボンを付けたり、腕にライトを装着したりしてウキウキ。パイプ椅子はあるのだけれど、ライブ中はみんな座らないとのことで、おばちゃん体力持つかしら…?と少々心配でした。そもそもAdoの歌も全部知らないし。

で、始まった。あー、本当にびっくりした。衝撃的でした。とにかく歌が上手いんですよ。こんな簡単な言い方してはダメなんですけど、とにかくすごい上手すぎる。Adoちゃんって顔も出してないから、ライブってどんな感じなのかな、なんて興味もあったんです。で、ライブでは鳥籠みたいな中でAdoちゃんの影が揺れ動いてるだけなんですけど、とにかく声があふれ出てくる!押し寄せてくる感じ。わあってポカンとしちゃいました。途中で鳥籠から出てきてAdoちゃんが動き回ってるんですが、顔とかどーでもよくなっちゃって、歌を聴いていたい、もっと聴かせてほしい!とドキドキしました。本当にすごかった。

今回ご紹介する商品はクリーナーです。当社のお客さんは解体業やはつり業の方も多く、粉じんやゴミなどを片付けるのにクリーナーをよく使います。プロの皆さんは吸引力バツグンのパワーあふれる商品が必要なんですよ。私たちが普段見かけるような家庭用ではなくて、バッテリーをガチャっとはめ込むプロ用のクリーナーを使います。作業は片付けまでだから、ジャンジャンやらなくちゃ仕事は終わらないし、まさに時間との戦い!ガンガン吸い込むクリーナーはなくてはならない商品なんです。

私もプロショップで働いていますと、家庭用のクリーナーでは物足りなくなってしまうんですよね。やっぱり吸引力が違うし、実際、お掃除している時間も短縮されてるはず。私、お掃除って苦手で、あんまり好きじゃないんです。でも、毎日クリーナーは使いたい。掃除は嫌いだけど、散らかっちゃうのってもっと嫌。そうなるとゆっくりちまちまお掃除してるのって嫌になっちゃうんです。ぎゅーんと大急ぎでお掃除したい!で、家庭でも使ってます。マキタやハイコーキのプロ用クリーナーは、軽くてパワーもあって、本当に便利!お家の中はもちろん、玄関やコンクリートの上も使ってます。部品も別売りしているので、外用と中用でノズルを変えて使っています。玄関もクリーナーをかけるとホコリが溜まりませんよ。

Adoさんってまだ20代前半なんですね。ライブでお話ししている姿は一生懸命で健気で真面目で、確かに若い子かなって感じはあるけれど、歌のパフォーマンスが始まると弾けるように踊って歌ってかっこいい。きっとこれだけの芸術を手に入れるまでには、才能はもちろんあっただろうけど、たくさんの努力をしてきたんだと思うんです。時間を忘れて熱中しなければ、人の心を揺さぶるようなパフォーマンスなんてできるはずがない!「タイパ」も大切かもしれないけれど、時間をかけることも大切だと思います。時間をかけたであろう努力がわかるから、人はここに価値を見出すのだと。誰もが時間をかける努力が大変なことがわかっているから、尊敬するし、彼女に惜しみない拍手を送るのだろう。

ライブに連れて行ってくれた娘、一人暮らしをしているので新宿で待ち合わせて「お昼食べよう」って約束してたんです。お昼ご飯食べてライブに行こうって数ヶ月前から決めてました。それを聞いたウエダキコーの社長兼私のオットが、「オレも行く」って言い出した。オットの分のライブチケットはないので、ライブには行けないことはわかっているけど、娘と会ってご飯を食べたいのだと言う。え?それだけのために?それだけのために群馬から新宿行くの?

当日は午前中から新幹線で新宿に向かい、娘と会ってご飯を食べて、私たちはライブに行きましたが、その間ずーっと新宿で時間をつぶしていた夫。数時間しか会えない娘のためにその何倍もの時間をブラブラと過ごしていた夫、すごいよ。こういうのを「タイパが悪い」って言うのだと思うのだけれど、心を満たすために、無駄なことをいとわない夫に、清々しさを感じる初ライブの一日でした。