『夢を叶える』。なんて魅力的な言葉なんでしょう。小さな時にやりたかったあの夢をもう一度!まあね、とはいえ、根性のある中高年は夢を叶えてるんですよ。私のまわりでもど根性中高年は、勉強して資格取ったり、検定受けたりしてるんです。これはすごいが私にはムリよ〜。そうじゃなくて、ただただやりたいことを学び直す。今となっては、若い時の体力や記憶力は全くないんだけど、こちとら経験値はあるし、なんなら持続力は若い時よりよっぽどあるんだから。今年、50歳になりました。仲良しのお姉さんマダムが「50歳なんてまだまだひよっこ。これから何でもできるわよ」とニコニコ。ひよっこですか。夢のあるいい言葉だなあ。ピヨピヨ。
私、小さい頃から絵を描くことが好きでした。風景画みたいなリアルな絵ではなくてイラストが好きで。教科書のはじっこにパラパラマンガを描いたりしてました。自由帳に漫画を描いたり、上手な絵を写して真似てみたり。たいていの女子がやりそうなことは、ひと通りやってたかもしれません。当時は『なかよし』や『りぼん』などの月刊漫画雑誌が大人気で、一度は漫画家を夢見た少女はゴロゴロいたでしょう。そこで、マンガ描くには専門の道具が必要だとわかった私。調べたらお金がかかることが発覚し、簡単に断念しましたけど。
あれから何十年。イラストを描くのが好きだった少女が、立派な中年になりました。現在はウエダキコーの事務やってます。3年前に始めたウエダキコーのインスタグラムで、イラストを描いたんです。最初はiPhoneに安いデジタルペンみたいなもので描いてましたが、これだと物足りなくなってきた私。で、iPadとアップルペンシルを思い切って購入。これでイラストを描いてみたら、楽しくて楽しくて。勢いに乗って当社のホームページをリニューアルするときに、私のイラストが全面的に使われることになったんです。小さな世界ですけど、イラスト描きたいっていう夢が叶った‼︎
私の夫はウエダキコーの社長です。ウチの夫もなかなか器用な方でして、それを活かして工具の修理などもしているわけですが、本当は何かを作りたいと思っているんです。木で何かを作りたい、と。木のおもちゃとか小さな木材の家具、などなど。身近に便利な電動工具がそろってるもんだから、なおさら手作りへの憧れはつのるばかり。確かに子どもたちが小さい頃は木のおもちゃを作ってくれたりしましたが、今の我が家にとっては需要もないし、そもそも仕事が忙しくて時間もないみたい。ふむむ。
木工の工具の代表といえば、丸ノコですよね。チップソーと呼ばれる円盤の刃を回転させて、木を切る工具です。素早くきれいに自由に切れるのが特徴です。現在はコードレスが主流になって、ますます自由に動かせるようになりました。コード式の方がパワーがあるって時代もあったのですが、ここ数年でバッテリの性能が格段に上がったおかげで、丸ノコもコードレス世代に突入!ハイコーキユーザーはマルチボルト、マキタユーザーは40Vmaxと、甲乙つけがたいバッテリでおなじみ。イラストの丸ノコは、ハイコーキ、マキタともにサイズは165mmです。2×4材の斜めカットができるので、おすすめのサイズなんですよ。
そうそう、夫が木工のおもちゃを作る夢を忘れかけていたら、ふと依頼が舞い込んできたんです。それも娘から!「こんな木のおもちゃを作りたいんだけど」と、夫のLINEに写真が送られてきたらしい。丸と三角と四角の積み木の、型はめのおもちゃです。丸は丸の型にスポッと入れられるようにしなくちゃだから、けっこう難しそう。特別支援学校の先生をしている娘が、生徒と学ぶために作りたいんだって。突然、張り切る夫!舞い上がる夫!やったじゃん、娘からの依頼なんて嬉しすぎるじゃん!
他県に住んでいる娘が、お休みを使って帰ってきました。夫と木材を買い出しに行って、工具を使って木のおもちゃを一日中作っていました。もちろん夫は職人さんじゃありませんから、予習なしに丸ノコやスライド丸ノコなどは使いこなせません。ですから、事前に、夫はYouTubeで木のおもちゃの作り方を勉強しまくってたのを私は知っている。娘の前でささっと工具を使いこなして見せたかったのでしょう。そして当日、ドヤ顔で娘に使い方を説明する夫。木のおもちゃを作りたいっていう夢と、ついでに、頼りになるお父さんってやつもできたんだから、それはそれは楽しそうでした。よかったね。
一日中頑張っていたけれど、積み木の色塗りまでは終わらなかったので、泣く泣く断念してアパートに帰った娘。「あとの仕上げは任せておけ」って言わんばかりの夫。急に父と娘の信頼関係ができていて笑える。仕事の合間を見つけては、積み木の色塗りをしている夫。ん?んん?よく見ると、面取りしてない?あれれ?面取りっていうのは、積み木の角を削って丸みをつけること。安全面からあった方がいいときもあるけど、ちょっとやりすぎじゃない?あれ?よく見ると色も照りが出てる。もしや…「うん、うるしを塗ってみた」ですって。いやあ、娘が言っていた「それじゃ、仕上げはよろしくね」の域を超えてない?
やりすぎもよくないですよね。これだと娘の作品じゃなくなっちゃう。あーあ、娘に怒られても知らないよ、ってあきれて注意したら、ものすごく落ち込んでた。人の作品に自分の夢をかぶせすぎてはいけません。娘が夫のやりすぎ感にめげず、また発注してくれるといいな、と祈ってます。