謝罪って、なんだろう

「心の底から詫びてください」。あの有名なドラマ『半沢直樹』の超有名なセリフ。あのドラマでスカッとした人もたくさんいたかもしれません。実際のところ自分に対して謝ってもらうことなんて、滅多にないわけで、ドラマだからこそ成立することがわかっているからエンタメとして楽しかったのかもしれませんね。

ここでふと思う。あのー、人から謝ってもらってスッキリしたことってありますか?そもそも謝ってもらうなんてシチュエーションがほぼほぼないのですが、たとえ謝ってもらえたとしても絶対に「よーし、やったあ」なんて思えないだろうな、と。しかも、謝って欲しいと思っている相手から、謝ってもらうことなんて絶対にない。かとおもうと、なんともない時に「ねえねえ、あの時はごめんね」なんて言われることもある。えっ、何かあったっけ?

謝る方、謝られる方、双方が同じテンションなんてことないですよね。催促されて心の底から詫びることなんてないし、心の底から許すこともない。お母さんが子どもに「ほら、ごめんなさいって言いなさい‼︎」とキリキリと怒ってて、子どもはブスッとしながら「はいはい、ごめんなさい」って言う。あれ、ですよ、あれ。しかも子どもが謝ってるのに「なに、その態度は⁉︎そんなのは謝ったうちに入りません‼︎」と、めちゃくちゃ理不尽。THE理不尽。じゃあ、どうすればいいのさ、という子どもたちの声が世界中から聞こえてくるよ〜。

若いときはとにかく謝ってもらいたがってた私。いや、若いときじゃない。ほんのちょっと前まで『謝ってもらいたガール』でした。わたし、夫と一緒に働いてます。夫はウエダキコーの社長であり私のオットさん。プライベートとお仕事を分けることも難しくて、夫婦であることの甘えもある。となると、やっぱり感情が隠せないし、むしろ感情を出してもいいとすら思ってしまう。お互いがお互いを思いやることができないばかりか、「何で私の気持ちがわからないのか」と怒りに変わる。でもずっと一緒にいなければならないので、怒りの表現方法がどーしようもないクズなものに。私たち夫婦が選んだ最悪の怒りの表現、それは『無視』です。一番陰険で、一番精神的にやられる『無視』。ほらほら、私は怒っているよ〜、気づけ〜、反省しろ〜、謝れ〜。と、心で叫びながら無視を続ける。

こんなの反省するわけないですよ。そもそも反省するも何も、何で相手が怒ってるのかわかんないんだもん。謝ったら負けちゃう感も出ちゃうし、もー、どこに向かっているのかさえもわからん。それでも「相手が折れるまで許さない」と強情な夫婦ですから。ははは。でもね、こんなことを40才過ぎても何度も繰り返していて、私、ふと思いました。「そもそも謝ってもらえたとて、スッキリするもんなんだろうか」と。いや、スッキリするわけない。「ごめんね、君の言う通りだよ。ボクは心の底から反省したよ」なんてセリフはファンタジーです。夢の世界です。ありえません。逆もです。「ごめんなさい、あなたの言う通りだったわ。私が浅はかでした」なんて絶対に言うわけありません。ドラマの台本みたい。

で、くだらないドラマはやめるべく、怒りの感情を無視で表現するのをやめませんか?疲れます。と夫に伝えると、夫も疲れていたのか「うん、やめる」と。そもそも夫の感情をコントロールするなんて無理だし、失礼ですよ。気づかって欲しいときはこちらが気づかわないとですよね。うん。それでも余裕がなくなって言い方がキツくなることばかりだけれど、余裕あるときは「ちょっとごめんね、お願いがあるのだけれど」などと優しく話すことが大切だよね。うー、できるかな。

職人さん必須の充電式マルチツール。1台で何でもこなすとっても便利な工具です。先端の替刃を交換するだけで、木材や金属を切ったり、はがしたり、磨いたりできるんです。この便利な工具、胸を張れるようなお仕事ぶりなのに、たたずまいが謙虚なんですよね。なんかちょっと下を向いて「すいません」って謝ってるみたいに見えるんです。マルチツールを使用するときは倒して使うので、気づかないかもしれませんが、立てておいてある姿は「すいません」にしか見えないんです。

謝って欲しいこともあるけれど、こちらが謝りたいこともたくさんあるじゃないですか。でも、そんなタイミングがなかったり、謝らせてもらえないこともありますよね。自分がすっきりしたいから謝りたいのに、そんな時期は訪れないことも謝るチャンスが与えられないことも。謝れないときは落ち込みますが、自分のやらかしてしまった罪を反省しろってことなんだろうと。うん、謝るって本当に難しいものだな、とマルチツールを見てしみじみ思う、今日この頃です。

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