中身が大事と言うけれど

言葉、選んでますか?人と会話する時も悩みますよね。こんな言い回しでは相手を傷つけるのではないかしら、でも、当たりさわりのない言い方では誠意が伝わらないのでは、などなど。こんな程度の文章を書いている私ですら、この言い方では伝わらないかも、いやいやこれでは誰かが不快に感じそうだ、などと悩んでおるわけです。生意気ですみません。で、毎回悩む。どんな単語を使おうか、と。

ある日の新聞の記事が目に止まりました。「育休」という言葉をやめて『育業』という言い方にしませんか、と。しかもこれ、東京都が提案したらしく、SNSでは賛否両論あるみたい。呼び方なんてどうでもいい、内容の方が大事!となかなかの厳しめのご意見。ま、確かにそうかな、とは思うけれど、私はこれはこれでいい考え方かなって思ってるんです。体制を変えるのはとても大変だけど、言葉を変えることでマインドというか、気持ちが変わっていくことってあると思うからです。

ここからは多少のグチが始まりますが、ご了承ください。私にも娘が2人おりまして、下の娘はもう二十歳なので、いわゆる「子育て」の時代は終わったわけです。それでも感じる子育てに対するモヤモヤ感。20年前のあの頃も「子育て」って、お母さんの孤独な戦いでしたよーーー。お父さんは気晴らしに飲みに行く⁉︎はあ⁉︎こちとら、ゆっくりご飯すら食べたことありませんけど⁉︎もちろん、生活するのも大変だというのに、お仕事に復帰したお母さん、子どもが具合悪くなるとお母さんだけがお仕事お休みするじゃん。「あの頃は保育園から電話がかかってくるとビクッとしたもんよ」と笑いながら話してる友人。いやいや、心臓に悪いわよ。20年経った今もまるで昨日のことのように話しちゃう。臨場感あふれる表現もまじえながらグチが止まらない。はあああーーー。そう、子育て時代のうらみはおそろしいですよ。これからお父さんになる方、よーく肝に銘じてくださいね。

そして現在。令和。最近よくきくステキな話もあります。本当は僕たちも子育てがしたいんだ!という意見がゴロゴロと。そうか、そうか、だとしたら彼らがやりたいようにできないなんて、つらすぎる。彼らもお父さんになりたいんだね。お母さんは自然にお母さんになるんじゃない、お母さん業をしてるからお母さんになるんですよ。だからお父さんもお父さん業、お願いします。同じことが出来なくていいんですよ、志を同じくしていれば、自然に分業も上手くなるとおもいますよ。やっぱり、育児するために仕事を休むのではなくて、育児という作業をするって考えた方が自然に感じます。で、育児が集中的に忙しいので、その間、仕事を休む。で、育児を頑張るっていう考えの方が合ってる気がするけど。『育業』、いいんじゃない?

かっこいい工具として、当社のインスタグラムでもたびたび取り上げている工具のひとつ、オグラの鉄筋カッターがあります。油圧のチカラで硬い鉄筋をシャキンと切っていくんです。速くて静かで、しかも安全。太い鉄筋が、まるで金太郎飴のように切れていくんですよ。この油圧のポンプを動かすのにエンジンを回転させるわけですが、このモーター部分はマキタ!共同開発っていってますけど、餅は餅屋って感じでしょうか。油圧に強いオグラが、モーターに強いマキタとコラボ。で、完璧でかっこいいひとつの商品が出来上がる。職人気質を感じさせるこの商品、とってもステキな関係だと思いませんか?見た目もかっこいいしね。

お父さん業とお母さん業。お互いに補いながら助け合いながら子どもを育てる。うんうん、いいね、とうなずきながら新聞を読み進めると、また別の記事が目に止まりました。これからお父さんになる予定の男性、さあ、育休をとるぞ、と上司に相談。育休を取りたい旨を伝えたら「そうか。いいじゃないか。このチャンスにしっかりキミも身体を休めておいで」と言われたと。この上司、おそらく私と同世代だな。新しいことを取り入れてるようで、本質がまったくわかっていない。笑うに笑えない話ですよ、これ。

やっぱり「育休」って言葉がどうしてものんびりした印象を与えてるのは否めないかも。だけどね、『育業』にしたら「おっ、育児ってそんなに大変なものなのかね?」くらいはかの上司も感じるようになるかもね。この言葉がセンスがいいとか悪いとか、そういうことじゃなくて、なんで言い方が変わったのかな?って疑問を投げかけるってことが大切なんじゃないかしら。言葉に魂が宿るっていうけど、言い方が変わるだけで受け止め方が変わることってたくさんありますし。説明してもわからないなら、そもそもの言葉をかえちゃおう、という発想。言葉って選んで使うものなんだと、しみじみ感じるニュースでした。

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