ま、いっか、と思うこと

長い人生を歩まれた方にお聞きしたい。誰かを『納得』させたことってありますか?ある?ほほう。本当に?相手はその時、清々しい顔してましたか?これ、私の予想ですけど、苦虫をかみつぶしたような顔だったはずですよ。なんなら相手は全然納得してなかったと思いますけど、いかがでしょうか?

『納得する』。うん、いい言葉です。モヤモヤしていた感情がストンと落ちる時ってありますよね。それなのに『納得させる』となると、とたんに嫌な感情がわくのはなぜだろう。『納得させられる』にいたっては、ムカついてきますね。何でかなあ、と考えてみたんですね。で、私なりに出した答えです。『納得』ってさせるものでも、させられるものでもなく、するもんなんだな、って。

よくある場面では、進路相談の教室にて。先生とお母さんと子ども、いわゆる三者面談ってやつです。三者面談で突然聞かされる子どもの進路先。子どもも小出しにして話しておけばいいものを、突然言うからなあ、お母さんもびっくりしちゃうんだよなあ。友人のお宅は息子さんをお医者さんにしたかったのに、ロボットを作る工業系に進学したいと言い出したらしい。三者面談中に。いやー、立派な夢だなあ、って私なんかは感心しちゃったけど、友人は許せなかったようで、「なんで?どうして?医学部に行くんじゃないの?なんなの?お母さんが納得いくように説明しなさい!」と怒鳴り散らしてしまったと。オーマイガっ!

オタオタする先生と、ムッと押し黙る息子くん。イライラMAXのお母さん。地獄絵図ですよ。だってお母さん、絶対に納得しないもん。こんな状態では話も聞いてあげられないだろうし、そもそも納得させられるつもりもないだろうし、こんな無理ゲーあるかしら。でも、お母さんも後には引けないから「納得させなさい」の一点張りでしょうし。「で、結論、どーなったの?」って友人にきいてみたら、「先生がね、ご家庭で話し合ってくださいね〜ってお茶を濁しまくって終わりよ!」って息まいてた。いやいや、先生、お疲れさまですってば。さあ、息子くん、どうしよ。

世界のマキタから40Vmaxの電動アシスト自転車が新発売されました。は?自転車?はああ⁇ですよね。わかります、わかります、その反応が普通です。色はもちろんみなさんご存知のマキタブルーです。他のおしゃれな色はありません。あの青色のみです。なんか形も不格好。でも、当社は迷わず一台購入いたしました!なぜかって?面白いじゃないですか。この商品を出そうっていう感覚や発想が笑っちゃうじゃないですか。あのカタチに落ち着いたってどーいうことなの〜笑笑っ感じ。

あ、『当社は迷わず一台購入しました』ってのはちょっと語弊がありました。ウエダキコーの社長でもある私の夫は「これはウチでは売れないかもなあ」と話していたんですよ。当社は解体業の方が多いし、現場にはトラックで行く方がほとんどですしね。現場もほこりまみれだから、自転車は使わないだろう、と。はい、そうでしょう。でも、私は欲しいと思っちゃったんですよ。こんなおかしな商品はなかなか出てこないし、これが店内にディスプレイされてたらテンション上がりませんか?宣伝になるよ!と息巻く私。慎重な夫。で、しばらくして夫が「よし、買おう!」ときっぱり。きいてみると「広告宣伝費と考えれば安いかな、と思ってさ」と納得した様子。やったー♪ありがとう!

入荷いたしまして、さっそく私、マキタの自転車に乗ってみました。非常に安定感もあり、乗りやすいです。スーイスイ。見た目はハンドルとサドルが離れてるように見えますが、乗ってみると全く違和感ありません。アシストのパワーも強いので、からっ風の群馬でもグングン走れそうです。ひとつ残念。自転車の鍵が付いてないことだけが惜しかった。自分で鍵を購入しなくては!色ですか?マキタブルー?目立っていいですよ。最高です。

さて三者面談で大騒ぎした友人親子はどうなったのか。友人いわく、「納得してないけど、納得した」とのこと。あの地獄の三者面談後から、息子くんが楽しそうなんだって。自分の進路を、こんなカタチであれ、お母さんに伝えられてホッとしたらしい。そんな様子を見た友人は「もういいや」って思えたみたい。「結局はね、自分で自分を納得させるしかないのよね」と。でも、彼女も清々しい顔してる。よかった。「あ、それとね」と友人が続ける。「ウチの息子、よくよく聞いてみたら血を見るのが苦手だったみたい。じゃあ、医者は無理かあってストンと腑に落ちたのよ」だって。なんだよー、息子くん、最初からそれ言えばよかったのに。一番の被害者は三者面談で地獄を見た先生でしたね。ちゃんちゃん。 

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