『整いました』は愛情でした

気になる言葉のひとつに『名もなき家事』というものがあります。わたくしも家族がおりますので、やはりこの言葉に反応しちゃいますね。誰が名付けたのは知らないけれど、個人的にはネーミング大賞をさしあげたい!

やってもやっても終わらない家事に、ため息をつきまくる。まず、洗濯。洗濯機に衣類を入れて干す、以上。な、ワケないじゃないの!これはデリケート洗いだな、とか、タオルと一緒に洗うと毛玉ついちゃうなとか、一緒に洗えないものを分けて、洗剤もそれぞれ違うし、そうそう、洗剤のストックは足りてるかな、あら、もう少なくなったから買い足さなくちゃ、おっと、洗剤を詰め替えてっと…。はあー、洗う前から大騒ぎ。ケチャップとかのシミがついてるなら、前の日に言っとけっつーの。一日経つと、繊維に染み込んで取れないよ!イライラ。誰だ!ティッシュをポケットに入れたままなのは!キイイー!

ごはんねえ。作るのが嫌だって話は世の中にいっぱいあるのだけれど、全部が嫌ってわけじゃないんですよ。仕事して疲れて帰ってきてからの料理がイヤなの!それに買い物も途中まではよかったりする。コストコででっかいカートに肉やら野菜やらをカートイン。テンションも上がって楽し〜い。でも、家に戻って台所に置いてみると、この肉のかたまりが途端に仕事になる。カートの中ではあんなにキラキラしてたのに。うんざりしながら大量の肉を小分けにしていく。これも『名もなき家事』よね、きっと。

などと文句を言い出したらキリがない『名もなき家事』の数々。でも、これって家庭の中だけの事なんでしょうか。実は会社にもあると思うのですよ。一段下に見られてるお仕事、いわゆる『雑用』と呼ばれてるお仕事の数々。FAXを送る、郵便物を出す、段ボールをたたむ、必要な事務用品の補充、はい、電話「はい、ウエダキコーです」、ほい、宅急便だ「お世話様です、ハンコですねー」、やれ、お客様「いらっしゃいませー」って、ずーっとバタバタしてるんですけど。書類作成とかの業務は後回しになって、終わらないんですけどおおおお。

それでね、思うワケですよ。『雑用』っていう考え方がよくないのではないかな、と。ワンランク下に見てるから、軽い気持ちで「よろしく〜」って言えちゃう。頼まれる方も断るほどでもないから「はい」って受けちゃう。でもね、この考え方では未来はないのです。不満がたまって雰囲気も悪くなり、居心地が悪くなる。だから、考え方を変えましょう。雑用とはすなわち、『お仕事を整える』ということに。なんでもそうですけど、下準備が万端だとスムーズにお仕事が進みませんか?この下準備にあたるものが『雑用』と呼ばれているお仕事の正体だと思うんです。

当社の社長兼、私のオットを例に挙げます。オットの残存体力をいかに残すかが大切。こちらがお仕事を整えてあげると、オットに迷惑がかからない。それすなわち、雰囲気もいいし、居心地もよい。ヒットポイントは減っていかないわけです。夕方でもHPがたんまり残ってるじゃないの。ヨシヨシ。それぞれに与えられた実力を発揮できる体制を作るってことがとても必要。

工具も同じですよ。当社のお客さんは『はつり作業』する職人さんが多いのですが、できるだけラクに使える方がいいに決まってるんです。疲れると判断力が鈍って事故につながりやすい。場合によっては命を落としかねません。若者を集めて力自慢してたのは昔のお話。今は大切な職人さんの体力をいかに上手に残してあげられるかが、責任者の大切なお仕事ではないかしら。

世の中では何も起こらないっていうのは軽く扱われがちですよね。何かトラブルが起こって、華々しく登場した人物が問題を解決していく方が絵になるし、何なら実力あると思われちゃう。普段の生活がとどこおりなくうまくいってる方がいいに決まってるのに。あ、そういえば、夫がよく話してるんですけど、野球の『珍プレー』って好きじゃないんですって。派手に飛び込んでキャッチするのはかっこよく見えるけれど、本当は打球を見て先回りして間に合ってサッと取る方が上手いのに!っていつも言ってます。

でもなあ、この『整える』行為って、わかってもらえないこと多いですよね。日本人の悪いくせで、先回りして整えるってことをアピールするのって「恩に着せやがって」なんて言われちゃったりしますよね。こういうこと言うのは、はしたないかなって思っちゃうし。でも、これからは恩に着せていくべきだと思うんですよ。だって『整える』ことは相手への愛情じゃないですか。「やっといたよ。あなたのことが好きだから」ってヨン様みたいに言えばいいのでは?古い?くれぐれも、恨み節でアピールするのはやめましょうね。あなたのために自分を犠牲にしてやったのに、その態度は何だ!とか、そういうのはやめましょう。「あなたのことが大切だよ」「ありがとう、これで能力が発揮できるよ」ってのが『雑用』やら『名もなき家事』への正解の対応だと思います。

だからさあ、家族のみなさん、気づいたらやってよね。私を大切にしたいなら、残り1センチに満たない水出しの麦茶のボトルをそのまま冷蔵庫にしまうのはやめてくださいね。それはカラになってるのと一緒でしょ。そのまま入れといたら自然に麦茶が増えると思ってるのかしら。自動的に増えるワケないでしょ。誰が作ってると思ってんだ。ちっ、まったく。

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