意識高い系を目指します

防災グッズをそろえたい。
何ヶ月も前から、いや何年も前からずーっと引っかかっているんです。やらなければ、やらなければと思いつつ、できていないことのひとつです。防災に備えたい。今年こそは絶対にやるんだ!新年、固く決意したというのに、もう春ですね。はは。

いえ、やりますよ、今年は。いや、実を言うと、まったくそろえてないわけじゃないんです。4年くらい前に急に思い立ち、少しそろえたことがあるんです。なんですかね、オリンピックくらいの間隔で人って大切なことを考えるもんなんですかね?などとくだらないこと言ってないで、昔そろえた防災グッズを出してみる。じょうぶなボックスにまとめてありました。よいしょ。

これらをそろえた当時は冬だったのだろうか。防寒用のポンチョとかカイロとか、あったまる系のグッズがそろってる。トイレなどの衛生用品は抜かりないです。あとはマスクもありますね。うん?当時はまだコロナとかなかったから花粉用か、もしくは粉じん対策で準備したのかな。でね、感じたのですが、マスクの進化ってすごいんですね!おそらく、これを準備した4年前、最新のマスクをこのボックスに入れたはずなんですよね。でも、今どきのマスクと全然違う!機能うんぬんと言うよりも、はっきり言って形がダサいです。これはかっこ悪い!恥ずかしいので急いで今のものと取り替える。このダサいのはお掃除の時に使おうっと。

で、やっぱり情報を仕入れるものが少なすぎることに気づきました。災害時は情報って命なのはわかっていたと思う。いや、わかっているフリをしていたのかも知れない。私はおばさんだから、情報にうとくても仕方ないじゃん、と開き直っていたのかも知れません。新しいことって面倒だし。できればやりたくないし。頑張るのは若者で、私たちは待ってればいいとか、そんな図々しい思いもあったことは否めない。うむむ。

当社では発電機を販売しております。ウエダキコーのインスタグラムでも、たびたび登場している人気商品です。当社のお客さんは電気の通ってない現場で、電動工具を動かすのに使うって方がほとんどです。ですから、工具のパワーと発電機の能力が合ってるかどうか、騒音の厳しい現場なのか、発電機の持ち運びはどのような車なのか、などなど、ご希望に合わせて紹介することがほとんど。でも、発電機って震災でも使えるんですよ。だってその名の通り、電気が作れるんですから。電気、欲しいですよね。食糧だって冷たくすれば腐りにくいし、夜は明るくなるし、寒い時はあったかくなるし。もちろん、安定した電気が作れる発電機なら、パソコンやスマホなどの精密機器にも使えますよ。

震災時の情報収集には、やはりスマホ重要ってことに行き着いた私、モバイルバッテリを購入しました!もちろんACアダプタで充電もできるけど、乾電池でもできる優れもの。ちょっとお値段が高いってことで悩みましたが、使ってみてよかったら、娘たちにも買ってあげたい。みんな大人だから、家族が一緒ってわけではないし。それぞれの車の中に入れておくのもいいかもしれませんね。

あとは、基本の水。生命の源の水。これの確保は大変だ。重いし、どうしましょ。SNSで調べてみると、とにかく小さめな水筒を常にバッグに入れておくといいみたいです。朝、家を出る時に水筒に水を入れて会社に行く。で、帰る時会社で新しい水に取り替える。これだけで、ちょっとだけ飲める水が確保できるわけです。常に新しい水になってるので、腐ることもないし。で、行動に移すわたくし。フットワーク軽いでしょ。ドヤ顔。

これはいい。で、大学生の長女に話そうと思ったんですよ。震災に対して意識高いお母さんってカッコいいじゃないですか!ドトールでお茶してたら、長女が「手、拭くよね?」と言ってバッグからおもむろに出してきたものは……ウエットティッシュとアルコール消毒。え?いつも持ち歩いてるの?「うん、だってない時もあるしね」と。次に500㎖のジャスミン茶がドン!「のど乾いたら、すぐに飲めるように」と。いつも何かしらの飲み物は持ってるらしい。その他にもばんそうこうとか、クリームとかカイロとかマスクなどなど、出てくる出てくる。これってすごくナチュラルに防災グッズじゃないの。参りました。出直してきます。あ、でも、モバイルバッテリは買ってあげるからねっ!これはまだ持っていないことを祈ります。

後悔先に立たず

スピーチって得意ですか?
得意っていう方、いらっしゃいます?「俺は得意だよ」っていう自己申告は、ほぼほぼ無効とさせていただきます。得意とおっしゃる方はおそらく、卒業式で行われる偉い方々のスピーチみたいなものではないかな、と。そのような長くてダラダラしたものではなく、私の言ってるスピーチとは、すっきりとしてかっこいい『あいさつ』のことです。時事ネタをうまく織り交ぜたりしながら、お祝いの言葉を述べたり、はたまた新しいコミュニティに入るために自己紹介したり。こういうスピーチがサラッとできると、知的な大人だなぁって感じ。

最近の子どもは学校でスピーチってさせられるようですね。国際社会で活躍するには自分の意見を人前できちんと言えるようにならないとダメなのかしら。団塊ジュニア世代のわたくし、学校でスピーチとかあまりなかったかも。初めてのスピーチは高校受験の面接の時くらいでしょうか。長所や短所を言いなさい、とかなんとか。基本、詰め込み教育でしたので、ペーパーの点数が重要でしたし。そんなこんなで、あまり人前でがっつりスピーチする機会は訪れることなく、しれっと社会人になってしまいました。

ところがどっこい、あるんですね、スピーチ。会社に入ったら朝礼でスピーチやらされました。入社してすぐの若い頃。わたくし20代。3分程度ですが、持ち回りで順番が回ってくるんです。けっこう長くない?内容はなんでもいいよ、とか言われても、会社の人にプライベートとか話したくないし、話すことなんてありませんよ。あまりに悩みすぎて天気の話でもしたろーか!などと、ヤケになりそうになったこともしばしば。

月日は流れて30代。子どもが産まれたりして子ども中心の日々を送るわけですが、そう、この子どもがらみで増えてゆくんです。「自己紹介を兼ねて、ひとり一言お願いします」というスピーチの数々。嘘でしょ⁉︎あのスピーチ地獄があるの⁉︎と驚きです。しかもこのスピーチ地獄は延々と続くんです。妊娠中のパパママ教室から始まり、入園前の児童館のリトミック教室、幼稚園での保護者会、小学校のPTA、地域の育成会の会議。これで終わるはずもなく、中学、高校と保護者会は続く。年に何回も「はじめまして。〇〇の母でございます。娘は現在どーのこーの」と、娘の紹介までして自分の話もしたりしたいが、途中モゴモゴしたり、脱線したりしながら、「どーもどーも」とお茶をにごす。たいてい話はまとまらず、上手くいかない。上手くいったためしがない。「よろしくお願いします」などと言いながら強引に終わらせて席に着く。毎回、自己嫌悪におちいる。泣きたい。くすん。

でも、上手な方っているんですよ。簡潔でわかりやすくて。きちんと話がまとまっていて、しかも短い。「これからも皆さん仲良くしてくださいね」などと余裕のある終わり方。その中でもピカイチだったのが、娘の同級生のお母さんのSさん。保護者会のたびに、ほれぼれするようなスピーチがあり、ひそかに憧れてた私。憧れが強くなりすぎるあまり、とうとう声をかけてしまったんです。「Sさんのスピーチが素晴らしいのだけど、どうやったらあんなステキな挨拶ができるの?」と。

Sさん、保健の先生をなさってるようで、毎週のように『保健だより』を書いているのだそうです。子どもにもわかるように簡潔に、を心がけているそうです。「なかなか難しいのよね。もしも私の話が上手に聞こえてるのだとしたら、いつも文章を書いてるからかなあ」と秘策を教えてくれました。なるほど。話したいことをまとめて整理するには、書き出すことが大事なんだ!と、その時はやってみようと思ったけど、結局何もしなかった私。とうぜん、スピーチは上手くなるはずもなく、毎回泣きながら保護者会は終了。

そうそう、まとめて整理といえば、工具ってどんどん増えちゃいますよね。最近は電動工具が増えてきたので、それだけでも大荷物。メーカーごとに専用の工具箱もありますが、なかなか上手く収納できないことも。その中でも人気はマキタのケースですね。マックパックなら積み重ねることができるので、移動の多い職人さんにおすすめ。ロック機能もついてるので、勝手に開いて中身がバラバラとこぼれてしまう心配もありません。高さも4タイプあるのでいろいろ使えますね。

最近は『工具女子日記』を書くようになったので、言葉を考えて選ぶことが多くなりました。できるだけわかりやすく表現したいとか、素人なりにあーだこーだと、一丁前に悩んだりもしてるんですよね。あ、今なら少しは上手にスピーチができるのでは!と思ったりもしましたが、娘たちは成長してしまい、自己紹介やらご挨拶やらの機会は全くなくなってしまいました。あー、今なら立派なスピーチができそうなのに〜。お披露目できなくて残念〜。なんちゃって。でも、本当に人生ってタイミングよくいかないものですね。後悔先に立たずです。 

『整いました』は愛情でした

気になる言葉のひとつに『名もなき家事』というものがあります。わたくしも家族がおりますので、やはりこの言葉に反応しちゃいますね。誰が名付けたのは知らないけれど、個人的にはネーミング大賞をさしあげたい!

やってもやっても終わらない家事に、ため息をつきまくる。まず、洗濯。洗濯機に衣類を入れて干す、以上。な、ワケないじゃないの!これはデリケート洗いだな、とか、タオルと一緒に洗うと毛玉ついちゃうなとか、一緒に洗えないものを分けて、洗剤もそれぞれ違うし、そうそう、洗剤のストックは足りてるかな、あら、もう少なくなったから買い足さなくちゃ、おっと、洗剤を詰め替えてっと…。はあー、洗う前から大騒ぎ。ケチャップとかのシミがついてるなら、前の日に言っとけっつーの。一日経つと、繊維に染み込んで取れないよ!イライラ。誰だ!ティッシュをポケットに入れたままなのは!キイイー!

ごはんねえ。作るのが嫌だって話は世の中にいっぱいあるのだけれど、全部が嫌ってわけじゃないんですよ。仕事して疲れて帰ってきてからの料理がイヤなの!それに買い物も途中まではよかったりする。コストコででっかいカートに肉やら野菜やらをカートイン。テンションも上がって楽し〜い。でも、家に戻って台所に置いてみると、この肉のかたまりが途端に仕事になる。カートの中ではあんなにキラキラしてたのに。うんざりしながら大量の肉を小分けにしていく。これも『名もなき家事』よね、きっと。

などと文句を言い出したらキリがない『名もなき家事』の数々。でも、これって家庭の中だけの事なんでしょうか。実は会社にもあると思うのですよ。一段下に見られてるお仕事、いわゆる『雑用』と呼ばれてるお仕事の数々。FAXを送る、郵便物を出す、段ボールをたたむ、必要な事務用品の補充、はい、電話「はい、ウエダキコーです」、ほい、宅急便だ「お世話様です、ハンコですねー」、やれ、お客様「いらっしゃいませー」って、ずーっとバタバタしてるんですけど。書類作成とかの業務は後回しになって、終わらないんですけどおおおお。

それでね、思うワケですよ。『雑用』っていう考え方がよくないのではないかな、と。ワンランク下に見てるから、軽い気持ちで「よろしく〜」って言えちゃう。頼まれる方も断るほどでもないから「はい」って受けちゃう。でもね、この考え方では未来はないのです。不満がたまって雰囲気も悪くなり、居心地が悪くなる。だから、考え方を変えましょう。雑用とはすなわち、『お仕事を整える』ということに。なんでもそうですけど、下準備が万端だとスムーズにお仕事が進みませんか?この下準備にあたるものが『雑用』と呼ばれているお仕事の正体だと思うんです。

当社の社長兼、私のオットを例に挙げます。オットの残存体力をいかに残すかが大切。こちらがお仕事を整えてあげると、オットに迷惑がかからない。それすなわち、雰囲気もいいし、居心地もよい。ヒットポイントは減っていかないわけです。夕方でもHPがたんまり残ってるじゃないの。ヨシヨシ。それぞれに与えられた実力を発揮できる体制を作るってことがとても必要。

工具も同じですよ。当社のお客さんは『はつり作業』する職人さんが多いのですが、できるだけラクに使える方がいいに決まってるんです。疲れると判断力が鈍って事故につながりやすい。場合によっては命を落としかねません。若者を集めて力自慢してたのは昔のお話。今は大切な職人さんの体力をいかに上手に残してあげられるかが、責任者の大切なお仕事ではないかしら。

世の中では何も起こらないっていうのは軽く扱われがちですよね。何かトラブルが起こって、華々しく登場した人物が問題を解決していく方が絵になるし、何なら実力あると思われちゃう。普段の生活がとどこおりなくうまくいってる方がいいに決まってるのに。あ、そういえば、夫がよく話してるんですけど、野球の『珍プレー』って好きじゃないんですって。派手に飛び込んでキャッチするのはかっこよく見えるけれど、本当は打球を見て先回りして間に合ってサッと取る方が上手いのに!っていつも言ってます。

でもなあ、この『整える』行為って、わかってもらえないこと多いですよね。日本人の悪いくせで、先回りして整えるってことをアピールするのって「恩に着せやがって」なんて言われちゃったりしますよね。こういうこと言うのは、はしたないかなって思っちゃうし。でも、これからは恩に着せていくべきだと思うんですよ。だって『整える』ことは相手への愛情じゃないですか。「やっといたよ。あなたのことが好きだから」ってヨン様みたいに言えばいいのでは?古い?くれぐれも、恨み節でアピールするのはやめましょうね。あなたのために自分を犠牲にしてやったのに、その態度は何だ!とか、そういうのはやめましょう。「あなたのことが大切だよ」「ありがとう、これで能力が発揮できるよ」ってのが『雑用』やら『名もなき家事』への正解の対応だと思います。

だからさあ、家族のみなさん、気づいたらやってよね。私を大切にしたいなら、残り1センチに満たない水出しの麦茶のボトルをそのまま冷蔵庫にしまうのはやめてくださいね。それはカラになってるのと一緒でしょ。そのまま入れといたら自然に麦茶が増えると思ってるのかしら。自動的に増えるワケないでしょ。誰が作ってると思ってんだ。ちっ、まったく。