10年は長いのか短いのか

3月11日。東日本大震災の日です。
この日の衝撃は10年経った今も忘れることができません。こんなこと言うと「震災当事者じゃないのに」とか「外部の人が何を言ってるの」などの批判もありますよね。でも、やっぱりそれぞれの災害があって、いろんな思いがあったし、今も思いはあるんです。だから、この日は私にとって今も特別な日なんです。

震災当日は娘たちの学校の行事があり、たまたま小学校に出向いていました。地震があった時は教室の時計が大きく揺れて「落ちたら大変!」と、急いで押さえました。人って焦るとこんなことしかできないんですね。たまたま私が小学校にいたので娘2人にもすぐに出会えてホッとしたのを覚えています。ただ、その後、携帯電話がつながらなくて夫と連絡が取れず、とても心配させてしまいました。

その後のニュースで流れてくる映像の残酷で恐ろしかったこと。精神が異常になりました。いろんなデマや噂に振り回されたこと。パンがなくなったと聞いてパンを買いに走ったこと。放射能の関係で給食がなくなるときいてなぜかお弁当箱を買いに行ったこと。ガソリンスタンドの長蛇の列に並んだこと。小さな子どもたちの未来が不安になったこと。震災は心を壊してしまうほどの衝撃だったのです。

そして計画停電。これがダメ押しでした。電気が使えない。シンプルに疲れました。疲れると正常な判断ができなくなる。暗い部屋の中で小学生の娘2人と私。どんどん疲れていってしまったんです。

その時、夫が買ってくれた日立のランタン。「これで明るい部屋になるね」と。その時は、なんだかのんきな人だなあ、ウチはオール電化だからお湯も沸かせないし、お風呂だって入れないし、冷蔵庫も止まっちゃうし、明るければいいってもんじゃないぞ、と思ったんです。でも、違った。明るいと気持ちが明るくなる。このランタンから何かが変わった気がします。

10年経った今、私にできることなんて大したことない。だけど、決めていることがあるんです。ひとつは被災地の商品を買うこと。それは今もずっとです。果物も野菜も魚も美味しい!もうひとつは震災に使えそうな電動工具を発信すること。意外にあるんですよ、これが。これからも震災のことは忘れない。だからずっと便利な工具を紹介していくつもりです。